木綿から、糸になる感動
最初の年に収穫できた時は大阪で木綿が本当にできることに感動いたしました。糸紡ぎ体験会で綿から引き出された繊維が糸になっていく様子に子どもたち、保護者や教員も感嘆の声をあげました。
糸車の開発へ
しかし、毎年木綿を収穫できる一方でスピンドルでの糸紡ぎではなかなかはかどらず木綿が溜まる一方でした。そこで小学生でも簡単に糸紡ぎができる糸車の開発にとりくみました。
何度か試作を重ねた結果、丈夫で加工しやすいペットボトルを再利用して本体にし、板材で補強、シャフトや車輪はプラモデルの部品を採用、ツムにはおせち料理についていた丸箸を鉛筆削りで尖らせてペットチャルカの完成をみました。
糸つむぎを誰でも簡単に
大きな糸車はハンドル1回転でツム先が32回転しますが、このペットチャルカは半分の15回転程度です。この回転比だと引く・つまむ・巻き取りの左手の動作が右手のハンドル操作に合わせやすいので糸つむぎを簡単にしています。私自身、ツム1本で14番手の糸を72メートルつむぐことができました。
持ち運びも楽に変化も楽しむ
全長20センチ、重量も150gとコンパクトなので持ち運び簡単で机などに固定して作業が可能です。しかもかさ上げ、双糸を撚ることもできます。ツムが丸箸であるので安全でかつリサイクルが可能であり、そのまま湯煎できるというご意見もいただきました。ツムをスギやヒノキに変えたり、先端の形状を変えたりすることで糸に変化をつけることができます。
小学生でも安心チャレンジ
実際にワークショップを始めますと小学1~3年生といった女の子たちが15分ほど説明したあと自由に練習しているうちにつむげるようになり驚きました。
「綿は卵を持つように柔らかく持ち、引くときは肘で引っ張り、撚りをかける時はしっかり糸をつまむ」といっしょにやりながら説明します。糸が切れても毛羽だった先端を綿の上にのせてハンドルを2回ほどまわせばすぐにつながることがわかると安心してチャレンジしています。